刺身と日本酒だぁ。おれは生粋の江戸っ子でぃ。
ある立呑屋。もちろん、一人酒だ。
料理と酒、そして料理長の真心。
髄の髄まで味わうには一人酒に限る。
まぁ単に友達が少ないだけの話なのだが。
マグロ、おでんの大根、ネギぬた酢味噌を注文。
生ビールは違うな~。
なんか、しっとりよ。
こう、じっくりよ。
味わうのには、
やっぱり。。。
THE酒。日本酒。
おれはメニュー表をサツマイモの如く引っこ抜いた。
んー?これはなんだ?
雪中梅?新潟の酒?らしい。
「すみません。せっちゅううめ下さい。」
「セッチュウバイですね。かしこまりました。」
とくとくとくとくっ。どれどれ。クイッ。ごくり。
おれは飲んだ瞬間、幸悦の表情に満ちた。
口腔内がピリッと刺激を受けたと思ったら甘味が遅れて来たのだ。
まるでツンデレではないか。
アメとムチを使い、男をたぶらかす、それと一緒だ。
だがうまい。
だってうまいんだもん。
わたしも、もはや、たぶらかされ済のようだ。
私をたぶらかしてくれる日本酒たちをご紹介しよう。
呉春(大阪府池田市)
久保田千寿(新潟県長岡市)
八海山(新潟県南魚沼市)
開運(静岡県掛川市)
雪中梅(新潟県上越市)
甘ったるくて、純米酒は苦手だ。
こんな酒では、おれはたぶらかされない。
普通酒、本醸造酒が好きだ。愛している。
醸造アルコールで味を〆ている。
キリッと自分を律してくれるようでもある。
だが、元来、
酔っぱらいにキリッとさせることなど、どだい無理なお話なのである。
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